「退場ラーメン」で有名な博多元気一杯!!が撮影可能になったらしいのでリベンジしてみた

「高菜食べてしまったんですか!?」

10年以上前にインターネットの一部で話題になったこのフレーズを皆さんはご存じだろうか。このフレーズの元ネタとなったのが博多区下呉服町の人気ラーメン店「博多元気一杯!!」である。

当時、とある音楽評論家が元気一杯!!でラーメンを食べた際にテーブルに置いてある辛子高菜をラーメンを食べる前に食べてしまったことで「高菜食べてしまったんですか!?」と言われ退店させられたというエピソードがネット上の一部で爆発的に流行した。

もともと知る人ぞ知る人気店ではあったが上記の件で「退場ラーメン」などと呼ばれ全国から客の集まる大人気店となっている。

もともと元気一杯!!には、以下のルールが設けられていた。

・ラーメン到着前に高菜を食べてはいけない(ラーメンを味わうため)
・最初にスープを飲まなければいけない(スープに自信を持っているため)
・携帯電話の使用禁止(撮影含む)
・雑談禁止(味に集中するため)
・子ども入店禁止(同上)

筆者は以前一度この店に行ったことがある。確かにおいしかったのだが、ネットで噂されていたルールと厳格な雰囲気の大将と奥さんの前に委縮してしまい、あまり味を楽しむことができなかった。

しかし最近、Twitterでこのような情報を見かけた。

なんと、鉄の掟とも呼ばれていたルールが撤廃されているというのだ。これはリベンジのチャンスではないか。

と言うわけで実際に行ってみた。

呉服町駅からご案内します

地下鉄呉服町駅3番出口から大博通りを築港方面へ。

直進して日本食品文化センターに向かう

日本食品分析センターの角を右折。

ゾンターク博多Ⅰの1F

そのまま恵比寿通りをまっすぐ行くと左手に見えてくる。

かなり分かりづらいが「ゾンターク博多Ⅰ」という悪役みたいな名前の雑居ビルの1階で元気一杯!!は営業している。

青いバケツが営業中の目印

のれんやのぼりは一切出ておらず、エアコンの室外機横に吊るされた青いバケツが営業中のサイン。元気一杯!!は不定休なのでせっかく訪れてもバケツが下がっていなければ店休日ということになる。

店の前にはすでに長蛇の列が

開店時間である11:00くらいに到着したが店の前にはすでに行列が。一見ただの雑居ビルに人が並んでいる様子はちょっと異様である。

撮影がOKになっている

店内に入ると撮影OKの表示。逆に撮影OKと書かれたラーメン屋もなかなかない気がするが、本当にルールはなくなったのだろうか。

見ると、ネット上に流布しているコピペではものすごい剣幕で店のルールを語っていた奥さんが観光客に「写真撮りましょうか?」などと声をかけているではないか。

もうあの殺伐とした元気一杯(文章にすると矛盾が生じる)はどこにもないのか…とちょっと感傷的な気持ちで店内を見回すと、テーブルに置かれているはずの高菜が無い。例の「高菜食べちゃったんですか事件」の発端となった高菜が無いのだ。

高菜が…ない

元気一杯!!から高菜が消えていた。不作により高菜の入荷が停止。野沢菜を代用したもののそちらも不作で入手不能。中国産では風味に違いが出てしまうので不採用と、高菜一つとってもこだわりを感じる。
どうやら5月頭から高菜はなくなったらしく、再開は未定とのこと。

ちゃんとしたメニュー表も用意されている

他にも以前はなかったメニュー表も掲げられていた。以前はメニュー表がない上、メニューを訪ねると退店という非常に理不尽な仕様だった。

糖質制限メニューなるものも

低糖質ブームの影響か野菜ラーメンなるメニューも。替え野菜ができるらしい。

しかしやはりここはラーメンを注文。

ルールがどこまで解禁されているかわからなかったのでラーメンを待つ間、同行の友人と軽く雑談をしてみたが、特にお咎めなしだった。

スープから食べなければいけないところは変わっていないようだ

注文後5分ほどで「スープからお召し上がりください」と言われラーメンが到着。今のところ今までのルールは完全になくなっているようだったがここからはラーメンの味にかかわってくる。ラーメンに対してだけは従来のルールが残っていても不思議ではない。筆者にいきなり麺をすする度胸はなかった。

依然と変わらない味で安心した

従来のルールに則り、まずはスープを混ぜずに飲む。

混ぜていないスープは表面に油膜が張っており、ほとんど湯気が出ない。
おいしい。油膜は結構な厚さだが決してくどくなく、油の甘みを感じることができる。
次にスープを混ぜて飲む。混ぜると一気に湯気が出て、同時に豚骨の香りが立ち上ってくる。元々クリーミーな豚骨スープではあるが油と混ざることで甘みと旨味が増す。

ルールは変わってもスープは一切変わっていないようだ。話題性だけのラーメンではないことがわかる。

スープ絡みの良い麺

そして、スープを味わってようやく麺にありつくことができる。

「ラーメン1つカタで」と注文しておくと、スープのテイスティングをしている間に麺がいい塩梅の柔らかさになるし、こなれた感じが出せるのでおすすめだ。

麺はオーソドックスな長浜ラーメンとは違い多加水の細麺。濃厚なスープとコシのある麺がよく絡む。

替え玉にカレーソースがかかって出てくる

麺を食べ終えたところで名物(らしい)カレー替え玉を注文する。以前からあったのかは不明だ。何しろメニュー表がない上にメニューを効いたらギルティだからだ。

注文してから5分もかからず、文字通りカレーのかかった替え玉が到着した。ルーのスパイシーな香りと麺の麦の香りが漂ってくる。

一気にカレーラーメンになった

スープに投入し、混ぜると乳白色の豚骨スープがカレー色に変わっていく。

濃厚で甘みのあるスープはカレーと相性抜群で、まるで野菜をしっかり煮込んで作ったカレーのような味わいだ。

あまりの旨さにスープまで飲んでしまった。どう考えても塩分過多である。

今回改めて行ってみて感じたのはルールが変わろうと、高菜が無かろうと、この店のラーメンはおいしい。ただそれだけだった。
場所のわかりづらい店ではあるが、絶品スープを味わいに一度訪れてみてはいかがだろうか。

博多元気一杯!!

住所:福岡県福岡市博多区下呉服町4-31 ゾンターク博多Ⅰ1階
営業時間:平日11:00~22:00
土日祝11:00~20:00※麺がなくなり次第終了
電話番号:090-1362-4311
定休日:不定休

地図