初心者でも簡単!福岡で今が旬のアジを釣ろう

今が旬のアジ。刺身はもちろん南蛮やなめろう、フライにしてもおいしいですよね。アジは初心者でも簡単に釣りを楽しむことができる魚で、福岡には数多くの有名釣りスポットがあります。夏のアウトドアレジャーにピッタリのアジ釣りにこの夏挑戦してみてはいかがですか?今回はアジの簡単な釣り方から調理法、おすすめスポットをご紹介します。

アジの釣り方

アジは最大、体長30㎝程度まで成長しますが、堤防や湾内から釣る場合その多くは大きくても10㎝程の小アジがほとんどです。サビキという簡単な仕掛けで釣ることができるので初心者向けの魚です。

仕掛けを作ろう

仕掛けごと買うことができるので簡単

仕掛けに必要なものはロッド(竿)、リール(糸巻き)、サル管(ジョイントとなるパーツ)、サビキ、カゴのみ。ロッドは釣具屋やホームセンターで1,000円ほどで売られているリールとセットになったもので充分です。サル管も10個入りのものが100円以下で売られています。サビキには〇号といったサイズがありますが湾内で釣る場合は4号~5号のものを選びましょう。少し大きめの店舗であれば100円均一でロッドとリール以外の道具を揃えることもできます。他にエサ、バケツ、クーラーボックス、氷を準備します。

総額でも3,000円程度と安価で揃うのも始めやすい理由です。釣り具はこだわりだすと際限なくお金のかかる、いわゆる「沼」にハマってしまいますが、カジュアルに楽しむのであれば想像以上に安くそろえることができます。

サビキ仕掛けの構造は単純で、ロッド→ライン(糸)→サビキ→カゴの順でつないでいくだけです。それでは実際に作ってみましょう。

ガイドは絶対に飛ばさないように気をつける

まず、リールのロックを解除。ロッドのガイドにラインを通していきます。安価なロッドは振り出し竿(入れ子のように収納できる竿)の場合が多いので伸ばした際にガイドが一直線に並んでいるか確認しましょう。一番先のガイドまで通したら20~30㎝程ラインを余らせてリールをロックします。

ジョイントの役割を果たします

ラインの先にサル管を結んでいきます。大物を狙う場合は専用の結び方が必要ですがサビキでアジを狙う場合は適当に結んでも大丈夫です。固結びを2回でも充分使うことができます。ラインとサル管を繋いだら、サル管にサビキを付けます。

便利な道具も販売している

最近売られている仕掛けの多くはスナップがついており、ワンタッチで付けることができます。最後にサビキの下部についているスナップにカゴを取り付ければ完成です。サビキには小さい針がたくさんついているのでケガには十分気を付けましょう。

エサの準備をしよう

手の汚れないエサも売られている

エサにも様々な種類がありますがおすすめはチューブ入りのオキアミです。カゴの中に絞って入れるだけで手を汚さずに準備ができるという優れもの。撒き餌には安価な乾燥オキアミを使います。

作りすぎないように気をつける

バケツに乾燥オキアミを1/4ほど入れます。チューブから生のオキアミを少し、そこに海水を加えて混ぜます。おかゆくらいの硬さになれば完成です。硬い場合は海水を、緩い場合は乾燥オキアミを加えて調節してください。作りすぎると余らせてしまって処理に困るので、少ないかな?と感じるくらいに留めておきましょう。

釣ってみよう

回遊に当たればすぐに集まってくる

撒き餌が出来上がったら海に投げます。自分の足元から縦に2~3mの範囲で撒きます。投げすぎると海を汚してしまうので2、3投したら様子を見ましょう。海面を見ていると水面の反射とは違う銀色のシルエットが見えたらアジが集まってきた合図。水の濁りによっては海面から見えない場合もあるのでとりあえず仕掛けを入れてみましょう。

リールのロックを外してカゴからゆっくりと海に落とします。釣り場の水深にもよりますが魚は水面から見たイメージより深いところを泳いでいます。カゴが底に着いたらロックを戻し2回ほどリールを巻きましょう。カゴの中身を徐々に外に出すようにロッドを揺らすと、サビキの針に着いた毛を餌と勘違いしたアジが食いつきます。
アジが食いつくと手元に震えのような衝撃が来ますがすぐには引き揚げず一息置くことが重要です。待つことで針がしっかりと掛かると同時に2匹目3匹目が掛かることも期待できます。「掛かった!」と思ったら一呼吸おいてから糸を巻き始めましょう。

大きいもので30㎝を超えることもある

釣りあげたらラジオペンチで針を取ります。アジは口が柔らかいので針を刺さっている方向と逆に軽く引っ張れば簡単に外れます。この時、魚をタオルで包むと滑らずに扱うことができます。使い古しのタオルを数枚、準備しておくと便利です。
針がとれたらそのまま氷の入ったクーラーボックスに入れましょう。小アジくらいの小さな魚であれば締めなくても氷の中に入れるだけで仮死状態になり、締めた時と同様に鮮度を保つことができます。この調子で時たま撒き餌を投げながら釣っていきましょう。

釣れるときは釣れて、釣れないときは釣れないのがアジ釣り

しばらくするとパタッと釣れなくなります。アジは回遊する魚なので時間が経つと別の場所へ移動してしまうからです。その時点で釣果がイマイチの場合は別のポイントへ移動、十分な釣果が得られている場合は引き揚げましょう。

時間帯は夕方がおすすめ

夕暮れの時間帯が勝負

よく釣れるのは朝まずめ(日の出)、夕まずめ(夕暮れ)と呼ばれる時間帯で魚の捕食活動が活発になると言われています。しかしアジに限って言えば留まることなく常に回遊を続けるのでタイミングさえ合えばどの時間帯でも釣ることができます。強いて言えば春や秋の場合は午後3時~5時、夏であれば午後5時~7時が魚が釣れ易く、気候的にも釣りやすい時間帯でしょうか。日も高過ぎず魚も活発になっている時間帯です。

アジを食べよう

アジを釣って帰ったらできるだけ早めに下処理をします。氷で締めているとはいえ痛むのが早い魚であることは間違いありません。早めに捌いて内臓を取ることで鮮度の落ちを比較的緩やかにすることができます。

アジの下処理をしよう

水で流しながらウロコを落とす

釣ったアジを持ち帰ったら、さっそく下処理をしましょう。まずはウロコを取っていきます。ウロコ取り専用の器具も売られていますがアジはウロコが柔らかいので包丁で撫でるだけでも十分です。流水で流しながら表面を包丁の刃でまんべんなく撫でれば簡単に取ることができます。

固いのでケガをしないように気をつける

ウロコを取っていると尾ビレから体の中心にかけて非常に硬い部分があることがわかると思います。これはぜいごと言ってアジ特有のウロコが寄り集まって固まった部位です。尾ビレ側から包丁を入れて削いでしまいましょう。

写真を撮るため片手だが必ず手を添えること

次にエラの下から尾ビレに向かって切り込みを入れていきます。その際、あまり深く刃を入れないようにしましょう。内臓を破いてしまうと身に臭いが移ってしまいます。火を通せばあまり気になりませんが生食する場合は注意したほうがいいです。尻ビレの手前まで切れ込みを入れたら頭を落とします。

こればかりは慣れもあるので数をこなそう

エラの少し後ろから斜めに切り落とします。胸ビレの付け根を少し残しておおき、残した部分をちぎるようにして頭を引き抜くと内臓を一緒に引っ張り出すことができます。内臓を出したら腹の中をさっと流水で洗い流します。真夏など水道水の温度が高い場合、水に触れた部分が身焼けを起こして変色してしまうことがあります。身焼けしてしまうと味も食感も悪くなってしまうので水で洗う時間は極力短くしましょう。

内臓を取り終わったら大名おろしにしてしまいましょう。大名おろしは三枚おろしと同様に魚の身を3枚に分けてしまう方法です。三枚おろしと違い、身を一方向から捌くので中骨に多く肉が残ってしまいますが小さい魚でも身を崩さずに捌くことができます。

ちょっと身が崩れてしまった

尻尾の付け根辺りの背中側から腹側に包丁を貫通させます。その際、背骨のギリギリ上を通るようにしましょう。ギリギリであればあるほど可食部が多く残ります。

途中で魚を反転させるとやりやすい

そのまま頭の方に向かって包丁を引いていってください。途中骨などに引っかかる部分が出てきたら上下を返すなどして引き切ります。

これがいわゆる三枚おろし

反対も同様に開くと下処理が完了です。すぐに食べない場合は冷凍してしまいましょう。水気をしっかりとってラップで包み、皿などに並べて冷凍します。完全に凍ってしまったら保存袋などに移してください。身が重ならないように冷凍するのがコツです。重なり合ったまま冷凍してしまうと冷凍ムラができ、そこから悪くなってしまいます。

食べきれない分を冷凍してしまったら早速調理に移りましょう。

アジ南蛮

正確にはアジの南蛮酢かけ

アジ料理の中でも簡単でおいしいアジ南蛮。通常は揚げたアジを南蛮酢に漬け込んで冷やして食べる保存食ですが、せっかくの釣りたてです。サクサクジューシーな状態で食べてしまいましょう。南蛮ダレも混ぜてチンするだけの簡単レシピです。材料はこちら。
材料(2人前)
・アジ 6匹(12枚)
・玉ねぎ 小玉1個
・水菜 2房
・片栗粉 適量
・サラダ油(揚げ油) 適量
(・砂糖 大さじ3
・醤油 大さじ3
・みりん 大さじ1
・酒 大さじ1
・ポン酢 大さじ3)

必ず調味料は合わせておく

まずは南蛮ダレを作ります。()内の材料をすべて耐熱容器に入れて軽く混ぜ、500wのレンジで20秒ほど加熱してよく混ぜれば完成です。砂糖が溶けていない場合10秒ずつ加熱時間を調節してください。

焦げないように満遍なくまぶす

次にアジを揚げていきます。アジの表面に着いた水分をキッチンペーパーなどでしっかりと拭き取ります。拭き取ったら片栗粉を表面にまぶしましょう。片栗粉をムラなくまぶすことで揚げムラや焦げを防ぐことができます。片栗粉をまぶしたらすぐに160度の油で5分程度揚げます。低温でじっくり揚げることで焦げることなく、ヒレや小骨もサクサクと食べられるようになります。

しっかりと揚げる

アジが揚がったら油を切って水菜を敷いた皿に盛りつけます。スライスして水にさらしておいた玉ねぎをのせ、先ほど作ったタレを回しかければ完成です。片栗粉のみで揚げたアジの軽い食感と甘酸っぱいタレでご飯にもお酒にも合う一品に仕上がります。

なめろう

焼くとさんが焼きにもなる

定番のアジ料理であるなめろうは味噌と薬味の味付けでそのままつまんでも、ご飯に乗せても、ハンバーグ状にしてさんが焼きにしてもおいしいおすすめ調理法です。今回はコチュジャンを使ったピリ辛なめろうをご紹介します。辛いものは苦手な方はコチュジャンを味噌に変えて作ってみてください。材料はこちら。
材料(2人前)
・アジ 10匹(20枚)
・コチュジャン 大さじ3
・酒 大さじ1
・ごま 適量
・卵黄 1個
(・シソ
・みょうが
・しょうが)
※()内の薬味はお好みで調節してください

身が崩れてもいいので手早く

まずはアジの身をスプーンを使って皮から外していきます。あとで叩くので身が崩れてしまっても大丈夫。時間をかけてしまい、身に体温が移らないようにだけ注意しましょう。

好みの粗さになるまでたたく

身を外し終わったらコチュジャンと酒、薬味をのせて包丁で叩きます。叩き方はお好みでOKです。身の食感が残るくらいがよければ粗目に、完全にミンチ状にしたければ細かくしましょう。

ゴマを忘れていた

叩き終えたらまとめて皿に盛り、中央にくぼみを作って卵黄をのせます。最後にゴマを振れば完成です。(写真はゴマを振り忘れています)ピリ辛のなめろうにまろやかな卵黄がピッタリ。

特に簡単なレシピを2品ご紹介しましたが釣りたてはどうやってもおいしいのでお好きな調理法で食べてみてください。

福岡県内おすすめスポット

福岡市近郊で気軽にアジ釣りを楽しめるスポットをご紹介します。車で行けてトイレがあり、足場がしっかりしている釣り場を厳選しました。

日明・海峡釣り公園

北九州でも有数の釣り場

有名な響灘のある北九州市の海釣り公園です。海釣り公園ということで足場もよく、柵が設置されているため安全です。投げ釣りは禁止されているので初心者向けのスポットとなっています。入園・駐車場が無料となっているのもうれしいですね。利用の際は安全のため「釣り人宣言」という同意書に記名する必要があります。
住所:福岡県北九州市小倉北区西港町
アクセス:北九州都市高速日明ICから車で10分

芥屋漁港

西区のおすすめスポット

福岡市西区の漁港はおすすめの釣りスポットです。駐車場もあり、釣り場内にトイレも完備されているので子ども連れでも安心。船着き場付近のテトラポットがポイントですが漁師さんの迷惑にならないように気を付けましょう。
住所:福岡県糸島市志摩芥屋677
アクセス:福岡前原道路前原ICから車で25分

津屋崎漁港

内海と外海の両方が楽しめる

福岡県福津市の漁港。内海からも外海からも釣ることのできるスポットです。内海の護岸がアジの回遊スポットとなっています。駐車場ではありませんが敷地が広いのでマナーを守って停めましょう。釣り場からは少し離れますが公衆トイレも完備。
住所:福岡県福津市津屋崎4丁目48
アクセス:九州自動車道古賀ICから車で25分

新宮漁港

有料駐車場完備

猫島で有名な相之島への渡船所がある新宮の漁港です。有料ではありますが駐車場も完備で公衆トイレもあります。こちらも内海、外海、砂浜など様々な環境で釣りができるのが魅力。船着き場の先、外海と内海の中間がポイントです。
住所:福岡県糟屋郡新宮町湊437-2
アクセス:九州自動車道古賀ICより車で25分

※情報はすべて2018年11月時点のものです

最後に

確かにアジ釣りは簡単で誰でも楽しめるレジャーですが海でする以上危険が伴います。最後に最低限注意していただきたいことをご紹介します。

子どもにはライフジャケットを

着用しないと入場できない公園も増えている

子どもの落水による海難事故は毎年発生しています。ライフジャケットはいざというとき本当に役に立つのでお子さんを連れていく際には必ず着せるようにしましょう。もちろん、大人も着ておくに越したことはありません。準備できるようなら必ず着用しましょう。

ドラグは緩めに

落下事故を未然に防げる

こちらもお子さんを連れていく際に重要です。魚の力は思った以上に強いので子供が竿を取り落としてしまったり、引っ張られて海に落ちてしまわないようにドラグを緩めておきましょう。リールの頭の部分のつまみを反時計回りに回すことでドラグを緩めることができます。そうすることで魚が暴れてもリールからラインが引き出されて竿にかかる力を軽減することができます。

サングラスを掛けよう

偏光グラスなら水の中も見えて便利

晴れている日はもちろん曇っている日も紫外線は降り注いでいます。さらに海が紫外線を反射するので普段より多くの紫外線を浴びてしまいます。特に水面を見つめると目へのダメージが大きくなってしまうのでサングラスを使用しましょう。おすすめは色の薄いものです。水面が見やすいのはもちろん、色が濃いものに比べて瞳孔が開かないので余計な光を取り入れるのを防いでくれます。

餌は撒きすぎない

赤潮の原因となる

釣り方の部分でも述べましたが餌を撒きすぎると海が汚れて、海中のプランクトンが死んでしまい赤潮の原因になります。また、他の釣り人の迷惑にもなるので気を付けましょう。

ごみは持ち帰ろう

本当におねがいします

当然のことですがごみは持って帰りましょう。特に針は他の釣り人や漁師がけがをするだけでなく、猫など漁港に集まる動物も危険にさらします。捨てられたラインに鳥が絡まって死んでしまう例も多くあります。余りにごみが多いとその場所での釣りが禁止になってしまうかもしれません。特にサビキ釣りではたくさんの針がついた仕掛けを使うので確実に処理するようにしましょう。100円均一の小物入れなどに針を入れるようにすると安全です。

アジ釣りを楽しもう

長くなりましたがアジ釣りは誰でも始めることのできるレジャーです。特に福岡県はアジの回遊も多くたくさんの有名スポットがあります。家族で、カップルで、手軽に釣りを楽しんでおいしいアジ料理を食べてみてください。