ラーメン好きなら1度は食べたい!若松の絶品あっさり豚骨ラーメン/南京ラーメン 黒門

北九州市若松区にある「南京ラーメン 黒門」は平日休日問わず行列のできるラーメン店です。
そんな黒門は、2004年に惜しまれつつ閉店した北九州の伝説的ラーメン屋「南京ラーメン 黒木」の味を受け継ぐ唯一のお店です。50年の歴史を持つ伝説の店で修業した店主の作るラーメンはサッパリと優しい味をしています。

今回はラーメンファンから「滋味豚骨」「淡麗豚骨」とも呼ばれる、唯一無二のあっさり豚骨ラーメンをご紹介します!

伝説のラーメン屋「南京ラーメン 黒木」とは

黒門について語るためにはまず、南京ラーメン 黒木についてご紹介しなければなりません。

黒木は八幡東区尾倉で1955年から50年もの間営業していた小さなラーメン屋です。10:30に開店し、正午待たずに売り切れてしまうほどの人気店でした。

開店直後から地元のお客さんが行列を作り、後から来る遠方のお客さんはなかなか入ることができなかったとか。
そのため、ようやく到着したら売り切れていたり、並んでいたら自分の目の前で売り切れてしまったということもよくあったそうです。

なかなか食べられないことから、ラーメンファンの間では幻のラーメン伝説のラーメンと呼ばれていました。

あっさりと澄んだ豚骨スープに中細麺、多めの胡椒が特徴の南京ラーメンには、北九州市内外に多くのファンがいました。
これからご紹介する黒門の店主・川内久門氏も中学生時代からの黒木ファンでしたが、店主・黒木政徳氏がご高齢により廃業することを決めたため、なんとかその味を遺そうと弟子入りを志願します。はじめは認められませんでしたが川内氏の熱意に押された黒木氏は彼を厨房に招き入れました。そうして2年半にわたる修行の末、2003年に川内氏は黒門を開業します。

黒木氏は川内氏の開業の翌年2004年に「南京ラーメン 黒木」を廃業、さらに翌年、黒門の盛況を見届けて亡くなられました。
生前の黒木氏は他に弟子を取っていなかったため、現在その味を受け継いだラーメンが食べられるのは黒門だけなのです。

伝説の味を受け継いだ人気ラーメン店

移転前の黒門店内に飾られた黒木の’のれん’(手前赤)

黒木の味を受け継いだ黒門は、伝統の味を守りつつ、店主・川内氏のこだわりを追求したラーメンを提供しています。
そのラーメンは黒木ファンに食べられるだけでなく、新たにたくさんの黒門ファンを生み出しました。開業から15年経った現在、黒門は北九州屈指の人気ラーメン店となっています。

黒木譲りの出汁の効いたあっさりスープに黒門独自のトッピングを加えたラーメンは閉店時間前に売り切れてしまうことも多いとか。

ラーメン激戦区である北九州エリアでもトップクラスの人気を誇る黒門ですが、その人気の秘訣はラーメンへの強いこだわりにあります。

メニューはラーメンとおにぎりのみ

シンプルなメニューはラーメンへの自信の表れ

ラーメン(600円)、ラーメン大(750円)、おにぎり1個(50円)とシンプルなメニューは2003年のオープン以来、一切変わっていません。余計なメニューを置かず、ラーメンの味のみに集中するという川内氏の自信と意気込みが伝わってくるようです。
博多ラーメンでお馴染みの替え玉もなく、麺の硬さとスープの温度を最高の状態で提供することにこだわっていました。

短時間煮だしのあっさりスープとそれを活かす具

写真はラーメン(600円)

黒門のラーメン1番の特徴である半透明のスープはよく洗った豚骨を6時間という短時間(通常の豚骨ラーメンの1/3程度)で沸騰させないように煮出して作られています。そうすることで、豚骨の出汁をしっかり引き出しつつ臭みを抑えた極上の「黒門のスープ」が完成します。黒門では豚骨ラーメンとしては珍しく、作ったスープはその日にしか使わない「使い切り」という手法で常に新鮮なスープを提供。塩分抑え目の塩ベースかつ、余分な脂が一切使われていないので老若男女問わず楽しめます!

黒門では麺やスープはもちろん、それらに合わせる具にもこだわっています。
食感の違う2種類のチャーシューや、丁寧に根切りされていて臭みのないもやし。使われているネギはアサツキ(エゾネギ)と呼ばれる種類のもので、万能ネギより強い辛味が優しい味のスープを引き締めてくれます。
メンマも歯切れがよく薄めの味付けで、すべての具が繊細なスープの味を壊さないように計算されていました。

スープのよく絡む中細角麺

歯切れのよい角麺

黒門の麺は中細の角ストレート麺です。角麺(断面の四角い麺)を使用することで油分の少ないサラッとしたスープがよく絡みます。出汁の強い優しい味のスープと合わせるため、麺の硬さは普通~柔らかめがおすすめです。(普通でも少々柔らかめなので初めての方は普通で注文してみてください!)

2種類のチャーシュー

手前がもも肉で奥がバラ肉

ラーメンには2種類のチャーシューが1枚ずつのっています(大盛は2枚ずつ)。それぞれ違った味、食感でラーメンをより美味しくしててくれます。

豚バラは箸でつかむと破れそうなほどに柔らかい

豚バラ肉は柔らかな触感と油の甘みが魅力。
終盤スープに浮いてくる脂はほとんどこのチャーシューから出たもので、澄み切ったスープにコクを与える効果があります。スープと同様に塩ベースの味付けでラーメン全体のバランス感も抜群です。

しっかりとしたもも肉は肉の旨味が強い

もう1枚はもも肉のチャーシューです。
こちらも味付けは同様ですがしっかりとした歯ごたえと口の中でほどける繊維感を楽しめます。しっとりと肉々しい味わいはともすればあっさりしすぎてしまうラーメンの満足感を高めてくれています。

ふんわりと柔らかいおにぎり

小ぶりのおにぎり1個(50円)

唯一のサイドメニューであるおにぎりは佐賀県産の有機米だけを使った、ラーメンの味を邪魔しない薄めの塩味です。
ふんわりと軽く握られていて、口の中でほどけるほど柔らかいので優しい味のスープとよく合います。

あったらラッキー!海苔のトッピング

海苔のトッピングは出会えたらラッキー

生海苔(左)と焼き海苔(右)

トッピングとして佐賀県産の焼き海苔と生海苔(それぞれ150円)を用意しています。
初摘み海苔とは、その年最初に収穫される海苔で、柔らかさと味の良さが特徴です。
ラーメンはもちろん、おにぎりとも相性も抜群です!

ただ、天候や時期によっては提供していない場合もあるので出会えた時はぜひ注文してみてくださいね。

持ち帰り用焼き海苔もある

こちらも数量限定ですがお持ち帰り用の焼き海苔もあります。もちろん、初摘み海苔を使用しています。

10枚1,500円と少々お高めですが、初摘み海苔といえば古くは皇室や大名にも献上された品です。こちらもぜひご賞味ください。

Twitterの評判

こだわりの詰まった黒門のラーメンは舌の肥えた福岡のラーメンファンからも大好評です。Twitterの口コミを一部ご紹介します。

「この豚骨最高峰のラーメン」「雑味や臭みが無くピュア~」「激烈に美味い」「世の中にあるトンコツラーメンで最もおいしい一品」などなど、黒門を絶賛する言葉が並んでおり、多くの方々から愛されているラーメンであることがわかります。

福岡県トップクラスの味をぜひご賞味ください

雨にも関わらず店の前には行列ができていた

黒門は2017年にラーメン情報誌「ラーメンWalker」が行った旨いラーメン店を決めるランキング「ラーメンWalkerグランプリ」で、福岡総合1位の座に輝いています。
また、2016年度に食べログが発表した「Japan Ramen Award 50」にもノミネートされており全国で48位、福岡県内で4位と高順位につけています。

福岡市からは車で1時間と決して近くはありませんが、福岡市内をはじめ他の地域からもたくさんのお客さんが訪れています。

取材日は開店直前の10:50に到着しましたがすでに店の前で並んで待っている方の姿がありました。開店と同時に店に入った後も続々とお客さんが増えていき10分もしないうちに満席、店の前には7~8人の列ができるほどの人気です。

伝説の味を受け継ぎ、あっさり系豚骨の最高峰との呼び声も高い黒門のラーメンをぜひ一度ご賞味ください!

店舗情報

住所:福岡県北九州市若松区青葉台南3丁目1-5
TEL:093-777-4688
駐車場:あり
営業時間:11:00~16:00(スープがなくなり次第終了)
定休日:毎週月曜日・第4日曜日

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