戦後すぐの昭和24年に箱崎で創業し、九大箱崎キャンパスの学生に愛されてきた喫茶店「純喫茶 ばんぢろ」が平成29年8月川端商店街に「Brewer’s Coffee ばんぢろ」として復活しました。「純喫茶 ばんぢろ」の閉店は平成10年。実に19年ぶりの復活となります。
お店は川端商店街のちょうど中央に位置する雑居ビルの2階です。オレンジののぼりと赤い看板が目印になっています。
ガラス戸をあけて階段を登ります。壁にはステンドグラスのライトが飾られており、外とは違った雰囲気です。
階段を上がって右手の扉が「Brewer’s Coffeeばんぢろ」です。ガラス戸からは中が見えるので入りやすくなっています。
明るい店内とスレイヤーエスプレッソマシン
店内に入ると入口正面にコーヒードリッパーやティーポットの並んだカウンターがあります。カウンター席は8席で座席間は広めにとられています。
写真奥に並ぶ、コーヒー豆を入れる容器(コーヒーキャニスターと言うらしい)には自家焙煎の豆が5種類用意されており、注文に応じて使い分けています。
カウンターでひときわ目立つVAN DZILLO(ばんぢろ)のロゴ入りの機械はスレイヤーエスプレッソというエスプレッソマシンです。従来の自動で抽出するマシンとは違い、抽出圧や水量をバリスタ自身が見極めて調節するというもの。バリスタの腕がエスプレッソの味を左右するといっても過言ではありません。
カウンターの奥にはテーブル席が7席あります。落ち着いた雰囲気で、すべて2人掛けなのでデートの休憩にもピッタリです。
カウンターに座るとお冷が運ばれてきました。グラスは二重構造で結露しないようになっています。お冷のグラスにもこのこだわり様、コーヒーに期待が膨らみます。
電源も完備されています。平成30年2月からは川端商店街にもFukuoka City Wi-Fiの提供が始まったので快適に作業することもできます。
メニュー
こだわりのコーヒーはもちろんのこと、紅茶やフード、アルコールのメニューも豊富です。ドリンクは2杯目以降は200円引き(一部メニュー除く)なのでついつい長居してしまいそうです。
日本初のアイスコーヒーと絶品エスプレッソ
創業当時からの看板メニュー、アイスコーヒーを注文。このアイスコーヒーは69年前、創業者である井野耕八郎氏の作った「ばんぢろ初代創作低温抽出アイスコーヒー」です。低温でじっくりと抽出したコーヒーは苦みと酸味のバランスが良く、フルーティーな香りを楽しむことができます。
ちなみにアイスコーヒーのことを冷コー、なんて言ったりしますが実は日本初のアイスコーヒーは初代ばんぢろが作ったといわれています。井野耕八郎氏が厳選した冷やして飲むためのコーヒー豆を使用した冷たいコーヒーを当時「冷コーヒー」と呼んでいたことから「冷コー」という言葉が生まれたとか。
こちらがスレイヤーエスプレッソを使ったエスプレッソです。少しとろみがつくほどに濃いながらも雑味が一切なく苦みと酸味、そして豆本来の甘みを感じることができます。カウンター席からはエスプレッソを作る工程を間近で見ることができます。
日本初のアイスコーヒーと最新のエスプレッソが楽しめる不思議なお店です。
戦後、天皇陛下にもコーヒーを献上した有名コーヒー店が19年ぶりに川端商店街に復活していました。装いやメニューは時代に合わせて変化していますがバリスタのお客様に美味しいコーヒーを飲んでもらいたいという気持ちは不変で、今も美味しいコーヒーを淹れ続けています。テイクアウトも行っているので川端商店街でお買い物の際は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
Brewer’s Coffeeばんぢろ
住所: 福岡県福岡市博多区上川端町4-235-2F(川端商店街内)
TEL:092-981-3335
営業時間:11:00~22:00
定休日:火曜日
喫煙席:なし
アクセス:地下鉄中洲川端駅から徒歩5分
地図